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2011年7月20日 (水)

GAMESSで点群Ihを扱う (3)

C60の炭素原子の座標を求める方法を書いてみます。

まず、正二十面体の12個の頂点を求めます。その座標は、(±α,±1,0), (0,±α,±1), (,±1,0,±α)のように表せます(α>1としておきます)。

隣接する頂点として(α,1,0), (α,-1,0), (1,0,α)を取ります。これらの内積が等しくなることから、α2-1=αとなり、これを解いてα=(1+√5)/2となります。

対称性を考慮すると、(kα,k,0)と(k,0,kα)の間を3等分する2点、および(kα,k/3,0)がC60の頂点の代表となります。ここで、一辺の長さは2k/3になるので、これがベンゼンの隣接する炭素原子間の距離と等しくなるとしてkを求めます。

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2011年7月16日 (土)

GAMESSで点群Ihを扱う (2)

よく見ると、1回目はタイトルを間違えておりました。

さて、点群Ihの分子の座標の求め方を一応説明しておきたいと思います。

まず正十二面体の頂点の座標を求めます。簡単にするため、頂点の1つの座標 (立方体の頂点になっているもの) を (1,1,1)とし、それと隣接する頂点の座標を (α,β,0) (ここでα>β>0)とします。

中心からの距離はどちらも同じになるので、

α22=3

が成立します。

さらに(α,β,0)に隣接する頂点として(α,-β,0)が取れるので、隣接する頂点同士の座標 (中心からのベクトルと見なします) の内積を取ると、これらは等しくなるはずなので、

α+β=α22

が成り立ちます。これらを解いて

α=(1+√5)/2, β=(-1+√5)/2

になります。あとは頂点間の距離が実際のC-Cの距離になるよう、各座標を定数倍すればよいわけです。

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2011年7月14日 (木)

舟型シクロヘキサンの点群

なんだかこういうキーワードで検索してここに来る方がおられるようなので、ちょっと書いてみますが、舟型だとC2v、椅子型だとD3dになると思います。

GAMESSのinpファイルを書いて、実際に確認すれば確かなのでしょうが。

と、今確かめてみたら、以前の記事では舟型と椅子型を逆に書いてしまっていました。申し訳ないです。

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GAMSSで点群Ihを扱う

久しぶりに量子化学的な話題について。

GAMESSはいろいろな点群を扱えますが、正十二面体群はまた使えないようです。

ではドデカヘドランやC60を対称性に基づいて計算するにはどうしたらよいかというと、もう少し小さな点群、具体的にはThに落として計算します。

具体的な例を挙げます。

ドデカヘドラン:

!*** WinGamess INPUT generated by Facio 14.3.3 ***
$CONTRL ICHARG=0 MULT=1 SCFTYP=RHF RUNTYP=OPTIMIZE LOCAL=NONE
         COORD=UNIQUE NZVAR=0 MAXIT=100 NPRINT=7 NOSYM=0
         PLTORB=.TRUE. EXETYP=RUN IREST=0
$END
$SYSTEM TIMLIM=600 MEMORY=40000000 $END
$STATPT OPTTOL=1.0E-4 NSTEP=100 METHOD=QA HESS=GUESS $END
$SCF SHIFT=.FALSE. DAMP=.TRUE. RSTRCT=.FALSE. CONV=1.0E-5 DIRSCF=.TRUE. $END
$BASIS GBASIS=STO NGAUSS=3
        NDFUNC=0 NFFUNC=0 NPFUNC=0 DIFFSP=.FALSE. DIFFS=.FALSE.
$END
$GUESS GUESS=HUCKEL $END
$DATA
*** C:\WinGAMESS\Facio\dodecahedrane.inp ***
TH  0

C           6.0      1.2576478345      1.2576478345      1.2576478345
C           6.0      2.0349456244      0.7772591626      0.0000000000
H           1.0      1.8854198625      1.8854198625      1.8854198625
H           1.0      3.0506062662      1.1653662827      0.0000000000
$END

C60:

!*** WinGamess INPUT generated by Facio 14.3.3 ***
$CONTRL ICHARG=0 MULT=1 SCFTYP=RHF RUNTYP=OPTIMIZE LOCAL=NONE
         COORD=UNIQUE NZVAR=0 MAXIT=100 NPRINT=7 NOSYM=0
         PLTORB=.TRUE. EXETYP=RUN IREST=0
$END
$SYSTEM TIMLIM=600 MEMORY=40000000 $END
$STATPT OPTTOL=1.0E-4 NSTEP=100 METHOD=QA HESS=GUESS $END
$SCF SHIFT=.FALSE. DAMP=.TRUE. RSTRCT=.FALSE. CONV=1.0E-5 DIRSCF=.TRUE. $END
$BASIS GBASIS=STO NGAUSS=3
        NDFUNC=0 NFFUNC=0 NPFUNC=0 DIFFSP=.FALSE. DIFFS=.FALSE.
$END
$GUESS GUESS=HUCKEL $END
$DATA
*** C:\WinGAMESS\Facio\C60.inp ***
TH  0

C           6.0   1.1833731703   3.0278554980   1.4193092895
C           6.0   2.2964935595   2.6026854014   0.7313653927
C           6.0   3.4798671467   0.6879451794   0.0000000000
$END

原子座標はどう求めたらよいかを説明するのはちょっと面倒なので略しますが、ヒントだけ。正十二面体の頂点のうち8個は立方体の頂点になること、C60の頂点は正二十面体の各辺を三等分すればよいことに注意すれば、求められると思います。

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2011年7月13日 (水)

WiMAXにしました

ホームページが一時消えていたのは、インターネット接続をADSLからWiMAXに切り替えたことと関係があります。最初、サポートの方の説明だと、ADSLの契約をダイヤルアップの最も安価なものに変えればよい、ということだったのでそうしたのですが、実は、このコースだと、ホームページサービスが使えなかったのです。気づくまでしばらくかかりました。

WiMAXですが、結構速いです。局舎が遠いせいで、いままでADSLもあまり速度が出ず、せいぜい2.5Mくらいだったのですが、WiMAXは条件が良いと10Mくらい出ます。ただ、何か帯域割り当ての調整をしているのか、大きいファイルのやりとりをするときは、最初は割とゆっくりで、だんだん速くなる傾向があります。

ADSLの利用をあきらめたのは、他にも理由があります。それについてはまた後で書きます。

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2011年7月12日 (火)

ページが消えておりました

事情があって@niftyのコースを変更した関係で、しばらく「量子化学のおもちゃ箱」のページが見えなくなっていましたが、本日復帰しました。事情については、また後で書きます。

ブログもすっかりご無沙汰していたのですが、この機会に、少しずつでも更新していきたいと思います。

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